中国新聞SELECTに掲載されました
2020年4月17日の中国新聞SELECT「想」に、シュウサク母ちゃんが寄稿させて頂きました。
子どもたちに導かれて
「ここすまネット」という市民団体で、障害児者と家族、彼らに寄り添う皆が笑顔で過ごせるように活動しています。グループ名は、こころすまいるネットワークの略で、医師や福祉の事業所、行政の職員たちとのネットワークづくりを進めています。立場を超えて現状や課題を共有し、障害児者を支援する制度の拡充や改善につなげてきました。
主なメンバーは、重度の障害のある子を授かった家族です。それぞれが歩んだ道のりは平たんとはいえません。しかし、我が子の頑張りや笑顔に励まされ、導かれ、命の尊さはもちろん、さまざまなことに気づかされてきました。多くの暖かい縁に恵まれ、今ではわが子と周囲への感謝でいっぱいです。当事者家族ならではの役割も見いだし、同じ境遇の人が支え合うピアサポートやケアに役立つ情報の発信にも携わっています。
1月に開催した活動報告・情報発表会には、福祉、医療、教育、行政、企業など多職種の90人を超える方々が集まり、輪がさらに広がりました。「いろいろな方と話しができ、有意義だった」「私も頑張らなければいけないと思った」などの感想を聞き、今後の励みになりました。
障害者と家族が抱える悩みや葛藤は、社会の中では小さな声かもしれません。自分には関係ないと思われてしまうこともあるでしょう。以前、私の話を聞いたある方が「ひとごとではない」と受け止めてくれました。この言葉に私たちはとても救われ、力を与えられました。これからも皆さんの役に立てれば幸いです。
ところで、皆さんはご存知でしょうか? 近年の医療技術の進歩により、日常生活で医療的な援助が必要な医療的ケア児者が急増していることを。医療的ケアを受けながら、地域で心豊かに生活できる社会であってほしい―。そんな願いから、新生児集中治療室(NICU)退院後のサポートの拡充や学校卒業後も地域で暮らし続ける環境が整うように今、活動しています。