生活しやすいまち、生きやすいまち 広島市社会福祉事業団 副理事長 山本正己

  広島市社会福祉事業団では、3つのこども療育センターと心身障害者福祉センター、北部障害者デイサービスセンター、皆賀園の運営を広島市から指定管理という形で任されています。障害児から障害者までの通所施設の運営が中心です。

  さて、障害者への支援が、措置から契約に変わりました。民間でも類似の事業ができるようになったわけですからとても大きな変化です。ですが、指定管理というしくみの中で市の施設を市からの指示に従って運営するという形となっているからかもしれませんが、事業団の変化への対応はとても静かです。競合の中にいるわけですから、もっと周りに敏感にならなければ。

 

  さらに、指定管理という中にあっても、自分たちが任されている施設は広島市が運営する公的な施設であることを意識しなければいけません。特にこども療育センターは、全国でも先駆的なセンターとして開設され、長年にわたり積み重ねられた障害児療育に関するノウハウは相当なものがあります。公的なセンターとして広島の療育についてもっと情報発信していくことが必要です。先陣を切るような取組が必要です。

  こうした中、平成30年度から光町のこども療育センターの建替えが始まります。5年8か月もかかる大工事です。ハードが変わるこの機会にこども療育センターをはじめとする施設のソフトも変えることができたらと思っています。変える勇気と変えない冷静さ。幸い事業団には優秀な職員がたくさんおられ、これらを見分ける知恵を持ち合わせた組織です。

  障害を持つ方々が生活しやすい、生きやすいまちが多くの市民にとっても生活しやすい、生きやすいまちだと思います。にぎわいづくりも大切ですが、こうしたやさしさを持ったまちづくりも大切です。どこまでできるかわからないのですが、こうした気概を持って取り組んでみたいと思っています。