光町こども療育センターの建替え後に向けて 社会福祉法人広島市社会福祉事業団 副理事長 松出 由美

 現在、光町こども療育センターでは、令和5年度の全館オープンを目指して順次建物の解体、建築工事が行われており、皆様にご不便をおかけしています。この建替えを機に、センターを取り巻く状況の変化に対応できるよう、ソフトの見直し・拡充を図りたいと考えています。

 こども療育センターでは、発達障害が年間初診件数の7割を占める状況にあって、初診までの待機期間が3か月くらいとお待たせしており、ご家族のストレスは計り知れません。待機期間の短縮に加えて、早期に適切な療育を提供できるよう、外来教室の増設と発達障害児クラスの設置を検討しています。

 近年、障害福祉サービスを提供する民間事業所が増えたことにより、通所や訪問サービスなどの選択肢が格段に拡がりました。しかし、まだ適切な療育サービス等が受けられていないケースがあるのではと心配しています。例えば、医療的ケア児など重症のため家から出られないケースなどで、実態はつかめていませんが、こども療育センターが持つ療育に関する専門的な知識、技術等を活かした障害児の在宅生活支援を強化していく必要があると思っています。

 建替え後のセンターには心障センターのデイサービス部門が移ってきます。重度の障害児・者のニーズに対応したサービスを提供し、利用者から選ばれるセンターでありたいと願っています。

 

(2021年2月発行「Circle of Smiles」掲載)